「どうもおかしいと思ったら、なるほど
全部仕組まれたってことだな」

「仕組まれた……何を?」

 ため息を吐いたと思ったら不思議なことを呟いてくる
神崎さんに首を傾げた。
 それって……どういう意味だ?
すると神崎さんは、クスッと笑ってきた。

「赤薔薇会関連のキャバクラと結婚詐欺。
 そして今日の銀行強盗。偶然にしては、
最近やたらにお前に危害が加わるなと思ったら
 どうやら、どれも首謀者は、赤薔薇会のようだな」

「えっ……?」

俺は、思わず口に出てしまった。
 あっ!!と思った時は、もう遅い。強盗の1人が
俺に気づき拳銃をこちらに向けてきた。

「おい。そ、そこ。ごちゃごちゃと何を話をしている!?
勝手な事をしてみろ。ぶち殺すからな」

「す、すみません……」

 慌てて必死に謝った。しかし何だか犯人は、
落ち着きがないというか焦っているようにも見えた。
 手がガタガタと震えている。どうして…?
辺りを警戒しつつ様子を探った。

相手は、拳銃を持ち3人。
 下手に動いて人質の人達に発泡されたら大変だし
しばらくすると犯人達は、用意をされたお金を
大急ぎでカバンに詰め込んでいた。

「やった…これで助かる。殺されずに済むぞ!」

「おい、えっと…山崎。
余計な事を言わず計画通りにやれ」

「分かってる。というか、いちいち指図するな」

「いいから言われた通りにやれ。山崎、戸田」

あれ?どうやら犯人達は、特別仲がいいと言う訳では
無さそうだった。むしろ仲が悪いし
 お互いに連携も取れていない気がする。それに
この銀行も何だかおかしい気がする。

「……なるほどな」