浅草の喫茶店と探偵ミステリー~血に染まった赤いバラ~


元々イジメっ子のリーダーでカースト上級者だった。
 彼女だったから周りは、何も言わなかったが
それが期に周りも離れて孤立していく。
 あの仲良しだった青木梨奈と林舞夏も関わりたくないのか離れて行った。

 あっという間に立場が逆転した。
これが人間関係で一番怖いところだ。
 いつ誰がどうなるか分からない。
廊下で暗い表情で歩いている彼女を見て可哀想になっていく。

俺がどうにか出来ないだろうか?
 せめて犯人じゃないと分かれば一部の誤解は解けるのに
 そう思っていると近くでクスクスと笑う声が聞こえてきた。
 誰が?と思い振り向くと岸谷ほのかだった。

いい気味だと言わんばかりに不敵な笑みを溢していた。
 それを見た瞬間、背筋がゾッと凍った。
 あのイジメの写真を掲示板に載せたのは、間違いなく
彼女だろうと思った。

 早く彼女を止めないともっと酷い復讐をするかもしれない。
そう思えるほどの恐怖を感じた。
 とにかく説得しよう。俺は、放課後になると
慌てて岸谷ほのかを捜した。

おかしいなぁ……居ない?
 放課後の校舎には、誰も居なくなっていたが
机にカバンは、まだあるのに。

周りが暗くなり出すと体育倉庫の電気がついていた。
 もしかしてそこに居るのか?慌てて向かうと
堀内瑞穂が居た。しかし何だか様子が変だ。
 それに岸谷ほのかの姿があった。それだけじゃない。
誰だ……アイツは!?
 キツネのお面をつけた怪しい男と一緒に居た。

 すると仮面の男は、クスッと笑うと岸谷ほのかに
「さぁ堀内瑞穂を華の雫という麻薬でトランス状態にしておいた。
 後は、君が彼女に指示を出して自殺させろ。
そして掲示板の罪を全て彼女のせいにして自殺。
 実に復讐に相応しい末路だろう?」と言ってきた。

 えっ!?じゃあ……犯人は、あの仮面の男と
岸谷ほのかだったのか?薬も……。
 すると岸谷ほのかは、ニヤリと笑うと堀内瑞穂に向かって

「“アロマ”よ……堀内瑞穂。自害しなさい!」

 そう命令を出した。
そうしたらどういうことだろうか。
 堀内瑞穂は、ボーとしながら自分の頭に拳銃を向けていた。
 えっ……どういうことだよ!?

 そして引き金を引こうとしていた。あ、ダメだ!!
俺は、無我夢中で飛び込んでいく。
 必死に堀内瑞穂の右腕を掴み拳銃を取り上げようとした。

「ちょっと……勝手に計画の邪魔しないでよ!?」

「な、何が復讐だ!!こんなの間違っている。
目を覚ますんだ……復讐しても何の意味もない」