浅草の喫茶店と探偵ミステリー~血に染まった赤いバラ~


病院の診察が終わるとそのまま学校に向かった。
 実習生としてレポートも山積みだし
授業をしないと点数が貰えないから休んではいられない。

時間を見ると丁度昼休みだ。
 学校に着くと何やら外の方で揉めている声が
校舎裏から聞こえてきた。誰が居るのだろうか?
 覗いてみると堀内瑞穂と岸谷ほのかが揉めていた。

「あの掲示板載せたのあんたでしょ!?
私そんなことしてないしデマ書いてんじゃねぇ~よ!
どーせ。薬とかあんたが売ってんでしょ」

「違う……私じゃない」

「じゃあ誰があんな書き込みするって言うのよ!?
そんな陰険なことするのあんたしか居ないじゃん」

 どうやらあの掲示板のことで揉めているらしい。
堀内瑞穂は、岸谷ほのかが載せたのだろうと思っているようだった。

 確かにあれだけイジメていたら書きたくもなる。
それに自分もやっているのに……。
 おっと……いけない。止めないと

「君達。何を揉めているんだ!?やめなさい」

俺は、慌てて間に入り喧嘩をとめた。
 しかし堀内瑞穂は、それが気に入らなかったのか
ギロッと俺まで睨まれてしまう。
 そしてプイッとそっぽを向いて行ってしまった。
うわぁ~怖ぇ~!!

「えっと……岸谷さんも大丈……」

「あんな奴……絶対に許さない。死ねばいいのよ」

 えっ……?
すると岸谷ほのかは、そう呟くと行ってしまった。
 俺は、唖然とする。今の聞き間違い?
いや、しかし確かに死ぬばいいって……。

どうやら思った以上に揉めていた。
 堀内瑞穂グループの陰険なイジメも気になるが
岸谷ほのかの行動の方が気になった。
 良くないことが起きそうな気がして胸騒ぎがした。

しかし、その胸騒ぎは、現実のものになる。
 あの掲示板のことが噂の他に以外にも
酷いイジメをしている写真を掲示板に載せられていたらしく
周りから白い目で見られるように。
 それが原因で生徒指導からも呼び出しがあった。