前から他の女子高生達に囲まれて歩いてきた
白衣を着たイケメンの男性に何だか見覚えがあったからだ!
 えっと……誰だっけ?
すると私と一緒に居た女子高生達が黄色い声援をあげる。

「あ、神崎先生じゃん。ラッキー」

「キャアッ神崎先生~」

 そう言いながら、その先生らしき人物に
駆け出して行ってしまう。えっ……ちょっと!?
 俺は、どうしたらいいか分からず戸惑ってしまった。
その白衣を着た男性は、ニコッと微笑んできた。

「何だ……ちゃんと授業を受けてるか?」

「当たり前じゃん。 それよりさ~聞いてよ!
この先生。今度、教育実習の立花先生が超ウケんの」

 女子生徒の1人が俺に話をふってきた。えっ……俺!?
驚いているとその神崎先生って俺を見て目を大きく見開いた。

「た……ちばな!?」

えっ……?やっぱり知り合い?
 確かに見覚えがあるような気がしてきたけど
全く思い出せない。誰だっけ?
 しかしその神崎先生は、俺のところに駆け寄り
俺の腕を掴まえてきた。

「立花。良かった……復帰出来たんだな?」

「えっ……さ、触るな!!誰だよ……あんた」

 何故だか無意識に手を払い除けてしまった。
何故そうしたのか分からない。
 ただ急に怖くなってしまった。すると彼は、
驚いた表情をすると凄く悲しそうな表情をしてきた。
 えっ……?

「そうか……やはり俺のこと忘れてしまったんだな?」

「忘れた……?何のこと……ですか?」