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佐々木 美悠 (ささき みゆ)17歳

都内の女子高に通う女子高生2年目を迎えている。

親友の飯塚 弥生 (いいづか やよい)が今日も大きな声で私を呼ぶ。

「みゆ〜!!!おっはよ〜ん!」

「わあーやよちゃん!おはよっ!!」

やよちゃんとは同じクラスで席もそこそこ近い。

「もうやよいさ、こんなつまんない毎日いやだよぉ。今日も6時間びっちり授業だよ?!信じられない、、」

とやよちゃんが愚痴をこぼす。

「やよちゃんっまた言ってるよ! でもたしかにつまらないよね!毎日毎日勉強でさぁ」

といつものように世間話をしながら朝のホームルームが始まるまでやよちゃんとお話するのが日課だ。

ガラガラ 「おはようございまーす。」

担任の田中先生が入ってきた。

田中先生は男の先生なんだけどいつもクールな感じで、無愛想だけど、こんな女子高にいたらそうせざるおえないのかなーなんて思う。


キーンコーンカーンコーン ザワザワ

「みゆーーーー!!!お昼たーべよっ!
授業やっとおわったぁぁ」

「食べよ〜!今日もいつもの席で!」

と言って、窓側の席で食べるのが最近の楽しみ。だってクーラーが当たって涼しいだもん。 なんたって今は梅雨が明けようとしてるからムシムシするんだからねっ!

「この人かっこいいかも」

と言ってやよちゃんは私にSNSに載っている隣の男子高の生徒と思われる人を見せてきた。

「えー!?普通じゃない? てかやよちゃんその人のこと狙ってるの? ちゃっかりフォローしちゃってるじゃん笑」

「へへーん♡ 隣の男子高でかっこいい人探してたらトプ画に写ってる人かっこよくてフォローしたの!投稿みたら案の定かっこよくてさ!」

なんて今日もガールズトークが盛り上がる。

「みゆはさぁー彼氏欲しいと思わないの??」

「それは思うよ〜泣 でも女子高入ったからには共学ほど出会いないじゃんっ?!」

「みゆはさぁ、、可愛いんだからそんなこと言ってるけど私なんかより先に彼氏できちゃいそうだよ笑」

「ないない〜!笑」


キーンコーンカーンコーン

「やべっ!!時間だぁー!みゆまた後でねっ!」

「はぁーい!」

そして午後の授業が始まる。

ねむーーい、、、午後に英語入れてくるとか私を寝かせる気ですか。。。

なんて睡魔に耐えながら午後の授業を終えた。

「みーーゆちゃんっ!部活いくよー」

「はぁ。今日も暑いし行きたくないよぉぉ。やよちゃん」

「部長なんだからしっかりしなさぁーい!ほら行くよっ!」

私とやよちゃんは同じ空手部に入部している。なぜか、、部長になっちゃったんだっけ。先輩の推薦とかなんとか、、。

空手部って珍しいでしょ?私はこの学校に入って空手部があることを知って、見学にいったらもう一目惚れ。やよちゃんもその一人。
二人で意気投合したのさ笑

「これで今日の練習を終わりにします。
集合!!!」

「はい!!」

先生の話が終わり、練習がおわった。

「みゆ先輩! 今日の蹴りどうでしたか?」


後輩アドバイスしていたらもう18時を回っていた。

「ありがとうございました!!またよろしくお願いします。」

「はぁーい!おつかれっ!」



「みーーゆっ!!おつかれ!」

と言うのは同じ部活のゆなちゃんだ。

「わぁ!びっくりさせないでよぉ!ゆなちゃんかぁ〜!」

「ふふっ笑 部長!!キラキラ輝いてますっ!」

なんてからかってくる。

空手部は2年生で私含めて6人。1年生も多く入ってきてくれて毎日充実してるかなっ!

「みゆ!部室おいで〜!アイスあるよ〜!」

やよちゃんが私を呼ぶ。

アイス?!やったあ!!アイスだあ!


なんて呑気にアイスを食べていたら下校時刻を過ぎていた。

他の部員はすでに帰っていて、私たち2人だけ。

これはいつものことだ。

「よーっし!帰るか!みゆいつも準備遅いんだからはやくねー!」

「やよちゃん。それはしょうがないの!電車でイケメンと会うかもしれないでしょ?! 髪の毛ボサボサだったらいやだもんねっ」

「はいはい笑 みゆはボサボサでも逆に色気が出てて電車にいる男子高校生チラチラみちゃってるから笑」

「やばいってそれは!!ありえない笑」

やよい(はぁ。素直に認めなさい?!みゆが駅行くと通る人が二度見しちゃうこっちの身にもなりなさい!!!)


なんてやよちゃんが思っているころ、私は制服に着替えアイロンで乱れた前髪を巻き直す。ついでにこの前買った甘いフルーツの香りのミストを2プッシュ。

「おっけい!やよちゃんお待たせ!」

「はーい!じゃあ帰るか!」

スマホをいじってたやよちゃんにいつものようにお待たせを伝えて校門を出る。

私の学校は駅から歩いて10分くらいのところにある。

「ついた、、暑すぎる。疲れた。」

「やよちゃんお疲れね〜今日もいいプレーしてたよ!」

「ほんとっ?!うれしい!」

やよちゃんが微笑む。
か、可愛い、、。
やよちゃんは女の私から見てもスタイルがよくて美人って言葉がよく似合ってると思う。

「あの2人可愛くね?!」

「え、どこどこ??」

「ほらっ!隣の女子高のKARATEって書いてあるリュックしょってる2人組!」

「え、、。まじやん。可愛すぎるだろ。」

ヒソヒソ‥


えっ??ここら辺に空手が刺繍されているリュックしょってるのって私たちしかいないよね?!

ヒソ 「や、やよちゃん!これって私たちのこと?」

ヒソ 「そう、みたい??笑」

後ろから聞こえてきた隣の男子高生だと思われる5人くらいの集団をチラッと見てみる。

「みゆ!!振り向きすぎだって!!」

「大丈夫だよ〜笑」


「え?こっちみたよ!」

「やべえ。可愛い」


そんな声が聞こえたけど、
私は1人の男子に目を離せなかった、、、。
180センチはあるのではないかと思われる高身長にサッカー部の51番という練習着を着ている。 少し長い前髪がなんともかっこいい。。黒くもなく白くもない筋肉質の体は、いかにもサッカー少年という感じだ。
二重の少しつり目の目が、ばちっと合った気がした。

「おいゆうた〜!なにぼーっとしてんだよ!」

「あ、わりぃ。今行く。」


へえ。ゆうた君っていうのか。
どこに住んでるんだろう??同じ上り電車かな? なにあれほんとにかっこよかった。

なんて思っていると、

「ほほーん♡さてはみゆちゃんあの中の男子に恋しちゃったか???!ニヤニヤ」

「えっ?!?!は! え、うんまあ、なんというか‥51番の人かっこよかったなぁなんて笑」

「どこどこ?! あーー!あの人??」

「しっー!!やよちゃん声でかい!」

「ごめんって!笑 みゆがかっこいいっていうのはまじでかっこいいからなぁ笑」

「ははっ笑なにそれ!笑」

「たしかにみゆが好きそうな感じね〜!」

「うんっ、なんか。ドキドキする。
やよちゃん。私一目惚れしたかも。」

「きゃぁぁぁぁ♡ みゆ!!!私応援するよ?!!」

「応援って!笑
でも名前と隣の男子高のサッカー部ってことがわかったから、、私、頑張る!!」

「おーこっちまできゅんきゅんするじゃんかよ〜♡」

「やよちゃんはこの前かっこいいって言ってた人とはどうなのー?」

「あーLINE交換した!」




「ええええええ?!?!
いつ?!なんで!!どうして!!なんで言わなかったの!!」

「みゆ落ち着いてって笑
なんか成り行きで。」

やよちゃんの短時間での行動力、恐るべし。



「と、とにかく頑張るんだよ!?やよちゃんならあざといからいける!」

「一言余計だけどね♡ 頑張るやよいも♡」

わぁ。やよちゃん語尾にハートついちゃってるよ。

まあやよちゃんが幸せなら私はそれでいいんだけどねっ

「バイバーイ!みゆ〜!」

「うんっ!やよちゃんまた明日ねん!」

やよちゃんとは2つ駅が違うから私とやよちゃんはここでお別れ。

はぁ。。今日は、今日は、とっても波乱な1日だったなぁ。

ゆうた君かぁ。また会えるといいな〜

さっきは、やよちゃんの新しい彼氏の話にびっくりし過ぎて見逃しちゃったな〜!ゆうた君。

って!!!私なに考えるんだ!!!

なんて頭の中で色々考えていると、


「あの、急にごめんな?」



そこにいたのはなんと、ゆうた君。
?!?!?!?!

「えっ!? あ、どう、しましたかぁ!」

うわんんんなんでゆうた君が?!?

「あの、俺と同じ最寄り駅なの今日知ったんだけど、さっき駅で会ったよね?」

「はい!! 隣の〇〇高校のサッカー部ですよね?」

「おう。よくわかったな笑」

「はい!だってあの中で一番かっこよくてキラキラしてたから、一目ぼ」

え?!私なに言ってんの?!!やばいやばいこれじゃ気になってるの丸見えじゃん!

「ははっ// なんかうれしいな。笑」

て、照れてる?か、かっこいい。。

なんて思ってる場合じゃない!!落ち着け私。

「ううっ。ごめんなさい急に!でも今言ったことはほんとでして、、最寄り駅一緒なの知りませんでした!」

「ありがと笑 おー多分俺らサッカー部いつもは帰りが遅いからな。」

「そうなんですね!」

「俺は朝とかちょくちょくみかけてたけどな笑」

「えっ‥?!」

「あっ、それとお前とタメだろ?いいよ敬語じゃなくて。」

「なんで同じ学年ってしってるの!?」

「え、あまぁ、ゴニョゴニョ」

「??」

「まっとにかく、これから仲良くしてくれるとうれしい」

「ええ!こちらこそ?よろしく、です//」

なにこれ、、夢???

こんなことがあっていいの。??

「‥わたしの名前は、み」

「みゆちゃんだよな?」

「えっ?!?知ってるの!?」

「ごほっ、、ああ// みゆ知らないと思うけど、可愛いってここら辺では有名だからな。」

「ううう。なんかうれしいですっ、、。ゆうた君に名前知ってもらってて。」

と背の高いゆうた君を見上げると。

「っっ///」

え?なんで照れてるんだろう。

「そっちこそ、名前知ってくれてるみたいで?笑」

うわっ!!私、これじゃあ変態みたいだ。笑

「あのっ!さっきお友達がゆうた君って呼んでたから、、かっこいいお名前だなって」

「ありがとな笑 あそうだ、LINE交換しよーぜ」




てな感じでなんとゆうた君と話すことができてっ、しかもあの後連絡先交換もして、、恐れ多いことに家まで送ってもらったのだ。

ゆうた君とは家は歩いて20分ほどのところにあるみたいで、高校になってからこっちに引っ越してきたらしいの。
運命、かんじちゃってます。笑

沢山のゆうた君のこと知れたし、
最後「みゆ、また連絡する」ってさ!!!


っっえ??み、みゆだってさぁ??
みゆって呼んでくれた、、緊張しすぎて気付かなかったよぉ!笑


てなかんじで今はお家の自分の部屋。

ママとパパに私が多分ずっとニヤニヤしてたから彼氏でもできたか〜?なんて言われて焦ったのは、さっきの話。

さてさて!!お風呂上がりは、自分磨きしないとなの!

空手をやっているから体型維持は、自分で言っちゃうけどバッチリだと思う。

いつものように通販で頼んでる美容セットを開いてお顔をマッサージ。

従姉妹のお母さんからもらったちょっと高級なヘアオイルをもみながら髪の毛につけていく。

「ふ〜ん♡いいにおーい」

それから、苺の香りのボディクリームを塗っておしまい。

これをやらないと1日が終われない!!

ベットに入りスマホに溜まったメッセージを返していく。

すると、、ピコン。

「ゆうた 新着メッセージ 2件 今」

きゃあーーー!!!!やばいやばい。。
うれしすぎるよぉ。。

さっき交換したLINEがゆうた君から来ました。

ただいま興奮中です。私。


ってあれ。


「みゆ〜?!?!朝ですよー?起きなさーい。」

んぐっ。ほへぇ。。?

「えっ。?」

「うっそー!!!ママいま何時!?」

「7時半よー。」

「よ、よかったぁ。。」

じゃ、ないよね?今日は練習オフだから軽くメイクする時間はあるし朝ご飯も間に合いそう‥って!!

「昨日ゆうた君からメッセージきたまま寝ちゃったんだ!」

あーもう最悪っ!夜ちょっと話せるかなとか思ってたのにぃ!私のバカ!!

「みゆ〜なにごちゃごちゃ言ってるの。遅刻するわよ〜」

「やばーーい!!大変!!」

なんて私の朝は大忙しでした、、。


次は〜〇〇駅〜お忘れ物ないようにお気をつけください。

「つい、たぁ。遅刻しなくてよかったぁ。」

くそぉ。、でも今日はいつものポニテじゃなくて時間がなくて結べなかったせいで肩より長くのばされてる髪を下ろしてるせいで、いつもよりムシムシする。

聞いていた音楽もキリの良いところで止めた。


「みゆ?」

「えっ?!?!ゆうた君?!」

「おう、おはよ笑」

「めっちゃびっくりした〜!!」

「みゆすげぇ顔してたぞ笑」

「やだー!恥ずかしいで、す」

「うそだよ笑」

「でさ?昨日メッセージおくったんだけど、返ってこなかったから具合でも悪いかとおもった」

「ああああ!!!ゆうた君っ!ほんとにごめんね、私そのまま寝ちゃったの、、」

「そうだったのか笑 みゆらしくてかわいー」

ゆうた君さらっと言えちゃうなんて、女の子に慣れてそう、彼女さんなんて全然いたよね。。って!ネガティブはダメだ。

「っっ//」

私がなんと返したらいいのかわからず、困っていると

「じゃあ今日はみゆから電話してよ」

「えっ‥?!」

「やだった?」

ゆうた君ずるいよ、、そんな目で見られたら断るなんて出来ないし、なにより私の方がうれしい。

「ぅ、うん!!わかった!」

今の私絶対顔真っ赤だろうな、、なんて思いながら、ゆうた君と今夜電話する約束をしてバイバイした。



「おはよう!みーゆーちゃんっ!」

やよちゃんがすごい勢いで抱きついてきた。

「うぎゃっ!!!やよちゃん!痛いよ笑
おはよう〜」

「ごめんて笑 あれれ?あれ?みゆ顔赤いよ?ニヤニヤしてるよ?何かあったの〜?」

「うぐっ、、」

「さては、ゆうた君にでも会ったかー?」

図星です。やよちゃん。
でもそれだけじゃないのよ、

「あのね実は、、」

私は昨日やよちゃんとバイバイした後に起きたことと、朝も会ったこと、今日夜電話することを全て話した。 やよちゃんにならなんでもいえる。

「みゆ‥
すごい!!!!よかったじゃん!!!!」

うわぁやよちゃん声がおっきいってば。

「しっー! 」

「やよちゃん、私いい事ありすぎて怖いよ、なにか起きるのかな?笑」