あえて言うならば、花純さんはスルメだ。

 噛めば噛むほど旨味が出てくるスルメのように、知れば知るほど僕は彼女にハマっていく。

「蓮くん、お待たせ?」

 不意に店内のガヤガヤとした様子が耳に戻ってくる。

 某ファーストフード店で先に商品を運んだ僕に近付き、花純さんが真向かいの席に腰を下ろした。

 今日の花純さんは僕の好きなワンピース姿だ。

 上はレースをあしらった白の半袖で腰から下は黄色い花柄のフレアスカートだ。

 もはや可愛い、という印象しかない。

 スカートの中を覗いてみたいとまた思ってしまう。

 日曜日の午後。

 彼女がリクエストしたハンバーガーショップでお昼を取る事にした。

 彼女がトレーに乗せていたのは、ハンバーガーとポテトとドリンクのセットで、思わず「それで足りる?」と聞いてしまう。

 彼女が頬を膨らますのを見て、あ、と頬をかいた。

 しまった、失言だったかな……?

「もうっ、蓮くんてば、私の事なんだと思ってるの?? しっかり食べるのは朝だけで、昼と夜は意識的に控えてるんだからね?」

「あ〜…、そうだよね。ごめんごめん。……けど、アレだよね」

「アレって?」

「………細い、全体的に」