気付いたらゴーストでした。

『そ、それで?』

《思いっきり嫌がられた。こっちはわざわざ保護してあげてんのに、キミは断固としてあのマンションから離れようとしなかった。そうだよね?》

『……。そう、なんですか……』

 覚えてないけど。

《キミはそう、あの花屋で働く女の子に会いたかったんだよね?
 交差点で車に撥ねられる直前まで、彼女に告白しようって意気込んでたから。
 その意思の強さで魂が体から離れちゃったんだよ。
 マズいなぁと思ったよ。
 生きてる魂が浮遊し続けたら、その分記憶も薄れていっちゃうし、元の体にも融合しにくくなる。
 でも、蓮くんがわがまま言うもんだからさぁ。とりあえずボクが女の子の部屋まで連れて行ったの。
 ひと目見たら、また体に戻るって約束してくれたから、まぁいっかーって思ってね》

 だから俺はあの時、花純さんの部屋に立っていた?

 天使に連れていって貰って、彼女の部屋に。

《でもいざ行ってみたらさぁ。
 キミたちあっという間に"想いの糸"で繋がれちゃうし、キミは子供の姿に変わっちゃうし。
 結局ボクの事も自分の事も全部忘れてああなったの。
 これでも色々と心配したんだよ?
 キミの魂を連れて帰りたくても、"想いの糸"で繋がれちゃったら、その"相手"にはキミの姿が見えても、キミ自身は天使(ボクたち)の存在が見えなくなるから……》

 それは、つまり……。