花純さんは花純さんなりに、僕を無事に成仏させてやろうと考えているらしい。
どこの誰かも分からない赤の他人なのに、お人好しな人なんだな、と彼女に好感を抱いてしまう。
少なくとも、神社にお祓いをするような事にならなくてホッとする。
花純さんはピンク色のコタツテーブルに鏡を置き、今現在、化粧をしている。
顔に色を付けるのが不思議で、つい食い入るように見ていると、彼女は困ったように笑った。
「見られるとやりにくいなぁ」
そう言いながら、不思議な器具でまつげを挟んで持ち上げている。
化粧をしない彼女も可愛いけれど、した後の彼女は、綺麗な包みでラッピングをした花のようだった。
食べ物で例えるなら、フルーツを盛られたデコレーションケーキだ。
何気なくそう呟くと、花純さんはハッと目を見開き、「いい感性してるわね?」と言って食いつかれた。
「ゴウくんってロマンチストなのね?」
そうも言っていた。
ロマンチスト?
自分の事はよく分からなくて首を傾げた。



