私の両親は共働きのため、私は中学生のころからかなり頻繁に自炊をしている。 回数を重ねるたびに自分好みの味で作れるようになり、その達成感を味わいたいというのもあり……気がつけば料理が趣味になっていた。 私は、家でやってるように野菜を次々と切っていった。 「へぇ、結構上手いじゃん」 背後から突然声がしてびっくりした。 私の肩から顔だけひょこっと出してきたのは、瀬那先生。 ちょっと、近いんですけど……っ。 思わず、ドキッとする。 ……って、ドキッてなによ。 なんでドキッとしてるのよ。