なんとか登りきり、事前に決めたグループごとで分かれることになった。



私と蛍はもちろん一緒で、その他に男の子3人が同じグループ。



それぞれの担当はというと、男の子たちは火を起こして肉を焼く係で、私と蛍は野菜を切って、ご飯を炊く係になった。



「そういえばさ、先月女子高生が山道で襲われたってニュースでやってたの覚えてる?」



蛍が急にそんな話を振ってきた。



私たちみたいに遠足で山に来ていた女子高生が迷子になり、たまたまそこにいた男の人に殺されてしまったという事件……。



あまりにも衝撃的なニュースだったため、忘れるはずがない。



「覚えてる……。こういうところだったのかなぁ」

「想像するだけで怖いよね……」

「1人にならないようにしよ!」

「そうだね。どこに行くにも絶対2人ね!」



蛍と約束をし、私たちは作業を始めた。