幸い、新しく買った黒の下着はそこまで濡れなかったので身につけることができた。

さすがにノーブラでスウェットは厳しいものがある……。


お風呂を出ると、リビングのテーブルには淹れたばかりだろう紅茶が置いてあった。



「これ、足にかけな」



そう言って、瀬那先生に渡されたのはブランケット。

風邪をひかないように気を使ってくれているのがわかる。

いつもの優しい瀬那先生。


だからこそ、胸の奥が痛くなった。



「俺も温まってくる」と言って、瀬那先生はお風呂場へ行ってしまった。



この紅茶を飲んで、瀬那先生がお風呂から出てきたら帰ろう……。

きっと、瀬那先生も1人になりたいだろうし。



瀬那先生の匂いがするブランケットに包まれながら、私は紅茶をいつもよりもゆっくりと……飲み始めた。