麗華さんは放っておいて、今は瀬那先生の体調が第一だ。

再び、瀬那先生をベッドに寝かせた。



ここが瀬那先生がいつも寝ている部屋……!

玄関に入ってから思ってたけど、瀬那先生のつけているシトラスの香水の香りがほのかにする。

こんな状況なのに、それだけでテンションが上がる私。



「なにか食べましたか……?」

「私、ゼリーとかスープは買ってきたよ」



麗華さんに聞いてないのに、麗華さんは食い気味でそう答える。



そもそも……彼女じゃないのに、普通に寝室に入ってきてるのもどうなんだろうか。

私だって、初めて瀬那先生の部屋に入ったのに……!



「……つむぎ、なにか作れる?」



瀬那先生の弱々しい声が部屋に響く。 



「昨日からなにも食べてないから、ごはん系食べたい……」

「そしたら、おかゆ作りますね。待っててください」



元気のないかすれた声を出す瀬那先生。

私は、瀬那先生に寝てもらっている間にお粥を作ることにした。


麗華さんは帰るかと思いきや……まだ帰る気配はない。