「泣いているだけじゃ分からないし、点滴刺し直すよ」


「来ないでっ!嫌っ ! 」


手を持たれると反射的に逃げてしまい


静かな病室に叫び声が響く。


「中学生なんだからこんな時間に騒いだら迷惑だってわかるよね? みんな寝てるの」


自分でも、わがままで迷惑かけているなんてわかる。

入院してる私より小さい子どもだってこんなに叫んだりしない。


でも、やだっ。 点滴も看護師さんも恐怖で仕方ない。

傷の消毒や点滴で翔馬先生に痛いことされたときは

まだ全力では暴れてはいない。


けど、今は恐怖に支配されてしまったから

手足をバタバタ動かし体全体で抵抗する。


「こんなに暴れるんじゃできないから、当直の先生呼ぶよ 」


「はぁはぁ… 」


過呼吸気味になってきた。

このままだと嫌でも何でもみんなに抑えつけられて強制的にやられてしまう


「嫌なのっ やめて 」


看護師さんの体を押して、病室から走り出した。