「君は、この世に…正義があると思うかい?」

幾多流は、笑いながらきいた。

「物語や…もしかしたら、君の中にはあるかもしれない。だけどね」

幾多は頬杖をつき、

「社会にはないのさ」

僕を見つめた。

「あるはずがないよ。あるのは、権力だけだ」