「ただいま。」

「おかえり、ミキ。」

「あれ、今日は早く帰ってたんだね。」

「まあね。」

今年から一緒に同棲を始めた
彼氏のリョウマ。

去年ひとり海でいるところを私が気になって話かけた。

そのときはなんだか迷惑かなって感じたけど、話しているうちに少しずつ受け入れてもらって。

連絡先交換して、何度かデートにも行って、結局私から告白...。

生真面目だけどいい人だと思う。

私に目もくれず勉強ばかりしてるときもあるけど、逆に私が勉強に興味持ち始めて、

去年の馬鹿な私は、いい大学に入れるまでになった。

ほんと、感謝してる。

んだけど...。

最近は、ほんとに分からないな。

「あれ、ここクーラーつけてた?」

「つけてないよ。寒いの?」

「うーん。まあ...。」

「これかけて。」

「ありがと。」

でも...。

リョウマも、いつもそんなに露出が多い格好してないかな...。

薄いとはいえ長袖着ることもあるし、私と同じで冷え症なのかな...。

汗だって全然かいてない。

「ねえ、そういえば夏休みどこかいく?」

「どこへ?」

「海とか。」

「海ね...。」

「あとは、山の方でキャンプとかもいいかもよ。」

「ミキはアウトドア派だっけ。」

「うん。リョウマはインドアっぽいね。」

「そうだね。魔が差してたまにはと思って外出たら、ミキが話しかけてくれた。」

「ね、たまには違うことするのもいいって思うでしょ?」

「ほんとだね。」

「じゃあ、夏休みはいっぱい遊びにいこ。」

「分かった。」

「リョウマも行くとこ考えてよ。
...ってあれ?」

「どうした?」

「なんか、水道出しっぱなしにしてる?」

「してないと思うけど。
前散々注意されたから。」

「そ、そうかな...。
水が滴ってる音まだちょっとするような...。」

「...。」

「お風呂とかかな。
ちょっと見てくるね。」

「うん。」