小学校で初彼に再会しました

くすっ。
翔らしい。

「そんなこと、気にしなくていいのに」

私は、翔に握られたままだった手首をそっとほどくと、そのまま翔に抱きついた。

ああ……、翔だ。

あの頃は華奢だったのに、すっかり広くなった胸は、あの頃よりずっと大人になったことを示していた。

ああ、10年だったんだ。

その胸の広さに、離れていた年月(としつき)を実感する。

「舞花……」

翔の腕が、私の背に回り、ぎゅっと抱きしめてくれる。

「もう、絶対に離さないから!」

私たちは、未だやまない雨の中、そうしてしばらくお互いの温もりを感じていた。



─── Fin. ───



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