「なんで?」
「なんでって……」
「おれといっしょに何かやったら、惚れちゃいそう?」
「〜っ、うっさい、ばか」
まあ。橘が口を開く。
「おれが頼まれなければ、の話なんだけどね」
……たしかに。
頼まれると、意思なく決まることも多々。
「橘、忙しそう」
「頼まれたらね。立候補はする気ないよ。さすがに大変だし」
「でもぜったい、頼まれるじゃん」
「……うん、去年そうだったけど」
去年、橘のことは特に知らなかったけれど。
たくさんの種目で1位をかっさらっていく高身長の茶髪、目立つんだもん。それに、女子の歓声もすごくて。



