号令が終わって、休み時間。
スマホを持って図書室へと向かった。
「──篠山くん?」
あそこなら、この短い休み時間のいまなら、誰も行かないかと思ったのに。
「……茅田さん」
図書室目前の、廊下。昨日も偶然会った彼とは、今日にも偶然に出会ってしまった。
同じクラスだけれど、席は近くないし。
なんというか、オーラが違うし。
話すことは、普段ない。
「茅田さんも、図書室行くの?」
「うん、そう」
「おれも行くんだ、いっしょだね」
知り合いがいる、ということに驚いて声をあげてしまった。
この短い休み時間なら誰も来ない──そう思っていたから。
話すことがあったわけではなくて、つい口をついてでてしまっただけ。突然失礼なやつだ。そこにいたから驚いてしまった。



