「授業終わってからでいいから、読んで」
そっと、小さな紙を渡す。
メモ帳に走り書きだけれど……読めないことはないだろう。
休み時間に手紙を渡す、というリスクある行動、わたしにはできなさそう。そう思って、いま。
告白みたいに思われたら、とんでもないもん。
「……ご褒美、ないって言ってたのに?」
「え、いま読んだの?」
真剣に授業聞いてたから、邪魔しないようにって思ったんだけど──いや、渡した時点で邪魔してるか。
「紗奈ちゃんからもらった手紙だよ? すぐ読まないでいつ読むの」
「……あとで」
「すぐ読むんだってば」
苦い顔をしてしまう。ぜんぜん、心の準備をしていなかった。無理難題を言われたらどうしようか。



