「え、花乃さん速い」
「コツ掴んできたかも!」
「次はもう負けちゃうかな」
落ちているあいだにちらりと見ると、篠山くんは1位、花乃は2位でゴールしていた。
速い! いや、わたしが遅い!
「よっしゃ、おれもゴール!」
橘がガッツポーズをして、それに「速!」と目を見開いた瞬間。
「なんで!?」
「あっ、遅すぎて強制終了されてる」
「──下手すぎるってこと?」
「えっと、……うん、まあ」
篠山くんに気をつかわれて、ちょっと痛む。いやでもね、今日のわたしは無敵だからさ。
ぜんぜん痛くない、さっきのは錯覚だよ。ほんとへいき。
ゴールもせずにレース終了、と画面が切り替えられたけれど、まったくもって問題ない。



