そろそろきみは、蹴られてくれ。



なんかもう、しっちゃかめっちゃか。みんなこわいの苦手なの……かな。うーん、わからないけど、ほんとにこれ誰得だ。


これを見終えたら、称号がもらえる的な?


超強靭な心臓の持ち主。……ちょっとほしいかもしれない。


「うわまって、音こわい、音こわい、音こわい!」


篠山くんが叫んで目を開けた。不穏なBGMは鳴り続けている。もうすぐ、次のホラーシーンが来る? どうしよう、目を閉じようか。


えええ、意地……。見て、わたしは称号をもらうんだ……見──。


「はい、紗奈ちゃんおしまーい」

「んえっ」


さっと大きい手が降りてきて、目の前を塞がれた。


「な、なんで? 橘、離してよ」

「ダメだよ。もう限界でしょ」


限界──限界と言われれば限界かもしれない、けど、称号が。