そろそろきみは、蹴られてくれ。



あれ、橘からは声が聞こえないな。


目を向けると。


「見てよ!!!!」


目をつぶっていた。ずるい。


たしかに、意見が一致したら見るとは言った。それは見たくなかったら見ないという手段もあるよの意味で、見ないのも正しい。わかる。でも!


ここまで来たら! 見ようよ!


「……わかったよ」


表情はいたって通常通り。むしろ、普段よりも飄々としている。


もしかして橘、顔に出ないタイプ? 出さないようにしているのかな。


「おれ、こわいから音だけ聞く」


篠山くんが宣言して目を閉じ、手で隠した。おお、防御完了。