そろそろきみは、蹴られてくれ。






「わたし、胃が痛いかもしれない……」

「えっなんで!?」

「なんか緊張してきた」

「紗奈ちゃんは応援係だよ、応援がそんなんでどうする!」


そうなんだけど……。


花乃に励まされながら、柵をぎゅうとつかむ。


今日は橘たちバスケ部の練習試合。


会場はうちの高校で、いつもどおりの場所といえばいつもどおりだし、環境的には何もこわいことなんてない。


ただ、その……はじめて間近で見る試合で、はじめて応援する試合だから、つい。


緊張というか、ドキドキというかがすごくて。


体育館の上のギャラリーには、花乃と篠山くんとわたしの3人以外にも、応援に来たお母様方や黄色い歓声をあげている生徒たちがいる。


たぶんみんな、応援になれているんだろうな。わたしははじめてだよ、やばいよ、テンション。