そろそろきみは、蹴られてくれ。



「へっ!?」


橘は目を見開いている。星が飛んでいませんか? え?


まって、どういうこと。


「バスケ部の出し物に来てくれたひとには、お菓子あげてたんだけど……紗奈ちゃんには渡し忘れてて。それを預かってきてたから、いま、渡そうと」

「〜っ!?」

「それで、その……呼んでくれたらいいなあと思って。紗奈ちゃんのものとして決まっているのに、交換的な意味と欲を込めてわがまま言ってみちゃって……」


時間、止まれ。これは非常にまずい。


だって、こんなの、もう。


わたしが橘とキスしたくてしかたなかったって、言っちゃってるような──。


赤くなったことを自覚した。


ぐっと、手の甲を顔全体に押しやる。