あることにはある。あるんだけど、その、──みんなはどうなのかな。わたしだけがあると、そこに行こうってなる? それはみんなにわるいというか。
罪悪感をもたすための言葉なわけがない、ってそれはわかってる、ただ、深く考えてしまうというか! 深すぎるかな……。
「紗奈ちゃん」
ふっとくちもとに笑みを浮かべた橘が、2歩、そばに来て。
しゃがんだ。
「ん、言って?」
首を傾け、上になるほうの耳を人差し指でとんとん。
うっ、かわいい。
「あのね」
わたしもしゃがんで、顔の側面に手を添えた状態でちかづく。
「行きたいところがあって……」



