そろそろきみは、蹴られてくれ。



もう1作も見よう、と右を向いて。


──漫画並みに肩が跳ねてしまった。


びっくりしたあ!


「な、え、大丈夫?」

「だい、じょぶ……っ!」


篠山くんが泣いてる……。


その目線の先には、わたしがまだ見ていない花乃の作品がある。


この涙が感動によるものなのか、恐怖によるものなのか。それがすっごく気になるな、恐怖だったらどうしよ。


わくわくと恐る恐るという、不思議なふたつがわたしのなかで入り交じり、ものすごくゆっくりと絵を目にする。


「わ……!」


水彩画だ。水彩画特有の、淡いぼかしが背景にきいている。


青、赤、黄色、緑。


その中央に咲いているのは、えっと……。


なんて花だったっけ、ぜったいに見たことはあるんだけどな。