そろそろきみは、蹴られてくれ。



「行ってもいい?」


どことなくそわそわしたようすの篠山くんも言って、花乃が小さくわらう。


「見てもらえたら、すっごくうれしいな」





花乃に案内してもらって、別館、普段は学習室となっている教室にやってきた。


花乃の作品は2作、壁に掲示されている。


「あっちのほうには部長の絵があるよ」


わたし、そっちに行ってくるね。──落ち着かなそうに歩いていく後ろ姿を見送り、3人で花乃の絵に釘付けになる。


1作は油彩。ずっと前から何度か話を聞いていた、右を向いている女の子の絵。