そろそろきみは、蹴られてくれ。



「あ、ありがとうございます」


照れとくすぐったさが入り混じる中で言葉にすると、


「涼雅ってさ、」


篠山くんが柔らかく目を細め、こちらに向けた。


「これは言ったら、もしかすると相手を傷つけるかもしれない。これはどう受け取れるかわからないし、言う必要ないな。って、考えた上で喋ってるんだよね。それ、おれほんとに尊敬してて」


……あ。それ、花乃も言ってた。


そのときにわたしもはっとしたんだ。


ふたりとも、すごい。ひとのいいところを見つけられるひとって、そのひともいいところがたくさんだと思う。


だってまず、いいところを見つけられるところがいいところだから。


自分だけという視野の狭さが、圧倒的に広がっていく感覚。