そろそろきみは、蹴られてくれ。



「わかった」


言って、これだけだとそっけないかなと思った。そんなことないのかもしれないけど、いま頭の中が沸騰してるからさ、平温がわからなくて。


「いいよ」


これもちがう。


どうしてだろう、浮かんだ言葉を言っても、何もしっくり来ない。


いままでにぜったい、言ったことのある言葉だから?




──“ 熱をぜんぶ、吸い取るまで見て ”




これだ! って、ぱっとなった。


わたしはすぐに赤くなって熱くなって目を逸らしちゃうけど、その熱を橘が吸い取って引かせてくれるなら、それまで見てもいいよって。


慣れたいとかそういうわけじゃない。むしろずっと慣れたくない。こうやってドキドキしつづけたい。


でも、和ませてくれたり、わらわせてくれたり、それなら、熱以外のたのしさも味わえると思うんだ。


そしたら、わたしも、橘を笑顔にするから。


この言葉は、いまじゃないよね。


それこそ、今度──キスするときに。