そろそろきみは、蹴られてくれ。



「篠山くんも橘くんも、すっごくモテるよねぇ」


花乃がぴょこんと人差し指をたてる。


「女子たちが騒いでいるのは、聞いたことあるけど……そんなには知らないかも」

「わたしもぜんぜん知らない。噂話、聞くのもするのもあんまりすきじゃないし」

「同じく」


でもさぁ。彼女は1本、ポテトを手にして


「やっぱりちょっと、気になっちゃう」


いたずらっぽく微笑んだ。


「あれだけモテたら、恋人いそうなのに……いるって聞いたことないよね」

「たしかに、そうかも」


バスケやってる姿がかっこいい!という情報は飛び交っているのに、恋人事情やすきなひと事情は聞いたことがない。


──本人からはされたけれど……いや、でも。