そろそろきみは、蹴られてくれ。



「……あー。紗奈ちゃん、可愛すぎるでしょ」

「っ、何、言って……」

「ね、」


顎に人差し指の側面が添えられ、橘の親指が、くちびるをそーっとなぞる。


「してもい?」

「え、な、何を」


ドキドキしすぎて。


頭、まわんない。


「ダメってちゃんと言わないと、……しちゃうよ」

「え、う、あ……」


──心臓、うるさいな。