そろそろきみは、蹴られてくれ。



「紗奈ちゃん、きらいな食べものとかある?」


クッションを置いてくれた、その場所に座る。橘も隣に座ったから、床の上、ふたりの距離がぐっと近くなる。


「とくにないよ」

「じゃああとで、おやつの時間になったら、いっしょに食べたいものがあるんだ」


……あ!


わたし、今日、何も用意してきてない……。橘にだけ気をつかわせてしまった、ああああ。後悔。


「昨日、お母さんとつくったんだよね」

「つくった……って?」


もしかして。


「紗奈ちゃんと食べたいお菓子」

「っ!! すごいね橘!」


思わず大声を出してしまって、すっと体を縮ませる。