そろそろきみは、蹴られてくれ。



「手ぇ冷たい」

「そう……かな」

「うん。紗奈ちゃんいつも、あったかいもんなあ」

「あったかい?」

「心。あったかいじゃん」


そんなことない。言おうとしてひらいた口で、固まる。


「──ありがとう」


うれしい。だから、素直に受け取ろうと思った。