「紗奈ちゃん、だいすき」 不意打ちに、驚いて。 「あったかくして寝るんだよ」 優しさに、感謝して。 「橘も、風邪ひいたりしないでね」 わたしも、伝えて。 「うん、ふふ。……おやすみ」 「おやすみ──あっ、ちょっと待って。これだけ」 「ん?」 息を吸って、吐いて。 もう1回、吸って。 「橘、だいすき」