そろそろきみは、蹴られてくれ。



脳内を目まぐるしくさせながら、作業の手を動かし続けている。と。


「紗奈ちゃん」

「うああ!?」


背後から声がした。背後っていうか、肩の真上っていうか。


しゃがんでいたのに、思わず立ち上がってしまった。


「一旦休憩だってよ」

「あ、ありがとう……」

「集中してたねぇ」

「うん、まあ」


集中してたのは、作業にだけじゃないんだよなぁ。


言えないから、口をつぐむ。