そろそろきみは、蹴られてくれ。



昇降口をあとにし、花乃が口を開いた。


「どこ行く?」

「何ほしい?」

「えっ、なんで?」

「え? だって、おごるって……」


ふたりではてなばかりを飛ばす。


「それ本気だったの? そういう冗談かと思ったんだけど」

「本気だった」

「ガン見されたから金払えって、わたしが本気で言うわけないじゃん」


……たしかに。