そろそろきみは、蹴られてくれ。



……わらわれた!


そう思ったのも、ほんの一瞬。


据わった目をした彼に、すぐ、引き戻される。


喉の中心と、鎖骨のあいだ。


ちくりとした痛みが何度かして、


「誰にもあげたくない」


橘の、低くて掠れた寂しげな声。


それから、肩にぽんと頭を預けられた。