「ほら、だって……ぽいとか、上手そうとかって、言ったらわたしみたいにもやっとするひともいるわけだけど、言わなかったら、言われなかったことにもやっとするワードじゃないでしょ?」 「……っ!」 あぁ、本当。橘、すごい。 花乃もすごい。 ひとの考えに合ったことが言える、それがすごいのかと最初は錯覚していた。もちろんそれもすごい。 だけど、ここで花乃が言ったのは、ひとを傷つけないちから、言葉選びについてだったんだ。 そう気がついて、何度も何度もうなずく。