そろそろきみは、蹴られてくれ。



理想としては、机の上に鞄を置く前に、流れで上手に言う、だった。んん、下手だな。


橘は「おはよ」とくちびるを動かした。


声も、顔も、表情もパーフェクトが過ぎる。


このひとが、わたしのすきなひと。早く言いたいなって気分になって、いやいやいや落ち着け。まじで落ち着け紗奈。


唱える。


頭の中がおかしい。大丈夫か?


体育祭後。橘の言葉の数々。思い出して、悶えかけて、落ち着きを取り戻そうと息を吐いた。