そろそろきみは、蹴られてくれ。



「うん、返事はいますぐじゃなくていいよ」


微笑んでくれた彼に、泣きそうになってしまった。ほんと、わたし、ずるい。


「でも、もうこれ以上……大人しくしてらんない」


大人しくしてらんない。


なんとなく意味を理解して、動揺。


それから、ほんの小さくだけ頷く。


橘はわたしの頭を撫でてから、


「ありがと、またね」


と手をあげて駆け出して行った。


一瞬見えた橘の耳が赤い。──わたしはどうなっているだろう、なんてちらと思って。


自分の頬に、手をあてた。