そろそろきみは、蹴られてくれ。



「いってきます……!」


一音、一音。噛みしめるように言って、駆け出す。


ゴール地点を見ると、すでにふたりがいた。


ついさっきゴールした、という様子ではなさそうで……。


もしもこのあと、橘が “ 引き止めた ” ことを悔いていたら、橘のせいじゃない。と言おう。


わたしは思わないけれど、橘は思ったふうだから。……ごめん、橘。


泣き出しそうな、ごめんを。


わたしが言わせてしまったんだ。