そろそろきみは、蹴られてくれ。



「……っ!? まっか──」

「うっさい、もう、しゃべんないで!」

「黙るから、あと、3分。見させて」

「無理無理無理」


頭を振って、反抗の色を見せる。


「やだ、見たい」


駄々をこねる彼をよそに、徐々にクラスメイトが静かになっていく。


もうすぐ、授業が始まるから。


いやそうな顔をしながら、彼も前を向いて静かになった。


た、助かった。


息をつきながら、わたしのばか、脳内で繰り返す。


なんで、あんなに赤くなったの。


ほんと、わたしの、ばか。