わたしも花乃にならい、深呼吸をしてみる──と。 「あ、……篠山くん!」 花乃が大声をあげた。 まわりのひとたちは応援に夢中で、こちらを振り向くことはなかったけれど……彼女はさっきのように、顔を赤くしている。 ──スタートした。 最初は上体が軽く倒されていて。徐々に、あがっていく。 脚はピンと伸ばされるタイミングがたしかにあるのに、脚と脚で三角形のようになっているのに、滑らかに、跳ぶように走っているようだ、と感じた。いや、飛ぶように、だろうか。