そろそろきみは、蹴られてくれ。



わたしと花乃でいたら、たまたま近くにいた篠山くんがやって来て、『今日がんばろうな』と微笑んでくれた。……と思ったら、


『紗奈ちゃんっ!』


笑顔なはずなのに目のわらっていない、という恐怖の表情の橘がそばに来たのだ。


『何? おれもしかして、きらわれてる?』

『きらってないけど、なんかあったらきらいになりそう』

『えぇ……。リレーで仲良くなれたかと思ったのに』

『仲良くはなれたけど、手ぇ出されたら一瞬で敵になる』

『手ぇ出す……? 大丈夫だ、涼雅! 突然殴ったりしねーって』

『そうじゃねぇし、真咲、ほんっと──疎い』