「おれらが佐久間さんの絵を見られる日って、いつかある?」 「文化祭で展示するけど……賑やかなところからは離れているから、あんまりひとは来ないかな」 「おれ、見に行ってもいい?」 「っ、もちろん!」 コミュ力おばけだ、とわたしは目を見開いた。 「……あ、ごめんね、わたし戻るね」 時間を確認した花乃が、手を振る。 わたしは大きく振り返したけれど、橘は愛想よく、コミュ力おばけらしさを見せた。 手首から上をひらひら、綺麗な手の振り方っていうか。