そろそろきみは、蹴られてくれ。



佐久間(サクマ)さんは、部活入ってる?」


──花乃に聞かれたくないのかな。やっぱり、橘がわたしをすきだなんて、何かの間違いか、ドッキリなんだろうか。


それとも。


わたしに気をつかった? ありえなさそうでありえるから、わからない。


「入ってるよ。美術部」

「美術部! 佐久間さんの絵、いつか見てみたいな」

「ふふ、ありがとう」

「あ、おれは」

「バスケ部……だよね?」

「そう! 佐久間さん、すごい。物知り」


だって有名じゃん、橘くん。花乃がわらう。


一瞬、もやり。


まさか、橘に嫉妬する日がくるとは。