そろそろきみは、蹴られてくれ。



わたしも鞄の中から、橘のハチマキを取り出す。


「──橘涼雅」


青地に黒い字。


いくら文字数が違えど、遠くからではわからないだろう。


……わたしと橘の、ひみつ。


少し右肩上がりで、ハネがくっきりとしている、繊細そうで、ちから強くて、綺麗な字。


指先でそっと撫でる。これがわたしたちのひみつなんだ、って。