そろそろきみは、蹴られてくれ。



「そんなん言われたらさ、紗奈ちゃんがおれのことすきになってくれたのかな、とか、思っちゃうんだけど」


橘のことがすきだ。


「いいの?」

「──……すきにすれば」


あぁ、ほんとう、可愛くない。


可愛くないけれど、いまのわたしの、せいいっぱい。


「がんばる。おれ、がんばるし、楽しむ。だからさ、紗奈ちゃん」


橘は小さくにやりとわらって、


「ありがとう。応援、しててね」


駆け出して行った。


グラウンドに彼の姿が吸い込まれていく。


見えるのが小さくなっても、あんなに目立つんだもん。


やっぱり、わたし、橘のことがすごくすきだ。