そろそろきみは、蹴られてくれ。



「橘、あのね」


腕から手を離して、額に巻かれた彼のハチマキをほどく。


一瞬、躊躇うように体を強ばらせた橘だったけれど、すぐに姿勢を落としてくれた。


そんな優しさに、また、すきになってしまう。


「あんたが」


そして代わりに、自分のハチマキを握らせた。


「楽しんでたら、もっと、嬉しい。かも。なんて」

「……ハチマキ」


ゆっくりと息を吐くように、何かから開放されたかのように、橘がささやく。