第九章 幻の先生 ヘーゼル
今日は俺は買い出しと研究のために街に出ていた
昨日は休日だが今回は違う
校長が緊張していたことから推測するに今日は凄い奴が来る
そう思った
だから
俺は買い出しをしにきた
飛びっきり良いものを用意するためと自分の菓子作りを深め極めるために
「んー,後は買うものはねぇか」
「すみません」
不意にかけられた声に俺は顔を上げる
そこにいたのは整った顔をした男性だった
俺は一礼して
「どうしましたか?」
と聞くと
「君の学校へ連れて行ってはくれないかい?」
成る程
この人が凄い人だろう
「分かりました」
くるりと振り向き彼を連れて学校へ戻る
「ここですよ」
にこりと笑い一礼した
そのまま去ろうとすると
「君はどこへいくの?」
と聞かれる
「厨房です」
「!」
彼の目が見開く
何故?
俺の後ろに誰かいるのか?
「ん?居ないぞ?」
振り返るが誰もいない
俺はキョトンとしつつ厨房の中へと消える
「あの子が神風………」
そんな呟きすら知らず
俺はケーキを作っていた
自己紹介のため集合を掛けられる
俺は行くと前に立たされた
…………ん?何故だ⁇
「皆さんこんにちは,私はヘーゼル」
ヘーゼルさんと言うんだな
「幻の先生だ!」
と誰かが言った
ふーん
「どうも,今日は彼女を掛けて勝負しましょう」
にこりと笑ったヘーゼルが俺を指差して皆に言う
皆はざわざわと騒ぎ出す
一番驚いてるのは校長と俺だよ
「何故?と言う顔をしてますね?」
俺はギロリとヘーゼルさんを睨み
「当たり前だ」
と答える
「説明しましょうか?」
説明してもらおうか
「頼む」
じっとヘーゼルの目を見る
「貴方は才能の塊だ,ぜひ僕のところで働いてほしい」
才能の塊,ね
「………へぇ」
俺は睨むのをやめないまま生徒の方を向く
「この勝負貰う!」
「絶対負けない!」
「私たちの神風だもん!」
皆………
なら俺も自信を持って言おう
「こいつに負けんなよ!」
応援なんかしねぇ
絶対勝つと信じてる
「おーーーー!!!!」
一斉に取り掛かる皆に俺も動こうとすると
「君は僕と話そう」
と
腕を掴まれる
俺は皆を見た
皆は頷き送ってくれる
俺は渋々ついて行く
「ヘーゼルさん」
低い冷たい声が響く
「ヘーゼルで良いよ」
彼はニコニコと楽しそうにしている
「なんのつもりで皆の前で言った?」
壁にヘーゼルを叩きつけ見つめた
「君は素晴らしいね」
頬を撫でる手
「その燃えるような瞳」
スリッとまぶたを撫でる
「君は僕と来るべきだ」
と
言い捨て彼は厨房へと向かう
俺は
憤りを感じつつ厨房の方へと向かう
そこであったのは
ヘーゼルがわざとか知らないが俺の大切なカーラの飴細工を壊した
ピキ
そして
飴細工を踏んで蹴る
ビキ
俺の堪忍袋の尾が初めて切れる音がした
「ヘーゼル」
低く誰よりも冷たい声で呼ぶ
皆はざわざわと騒ぎ出す
何故なら
俺が青筋を立てて睨んでいるからだ
「神風!」
「神風,僕なら大丈夫だよ」
「落ち着け!」
俺は壁に拳を打ちつけ周りは静まる
俺は
拳から宝石が広がることも知らず
「ヘーゼル,テメェは許さねぇ!」
「………宝石姫」
ヘーゼルの目がギラリと光る
「最高だよ是非ほしい」
「ムカつく」
俺は生徒の皆が作ったケーキを寄せて彼から避けた
俺は一息ついてケーキを作って行く
苺の毛を全て抜き
生クリームはふわふわに
まるで天使の様に
白く
優しく
甘くする
「出来た,ヘーゼル食ってみろ」
「………まずかったら招致しないよ」
「言ってろ」
パクリと食べたヘーゼルは固まる
そして頬に手を当て
「美味しい」
と呟いた
幻の先生
それはいつの頃か知らない
だがな
人の丹精込めたものを踏み蹴散らす奴は俺は許す気はしねぇ
「テメェは作ったことあんのか?」
「そりゃ作っているよ」
「食わせてみろ」
「………」
彼は綺麗な姿勢で綺麗な作業でケーキを作って行く
それは素晴らしいものだ
だがな
「美味いが気持ちが込めれられてねぇ」
「気持ち?」
「幻の先生とほざかれていようがなんだろうが気持ちが込められてねぇケーキなんざ少ししか美味くねぇ」
「ッ!?」
皆が目を見開いている
「俺は一つ一つ
その人が食べる笑顔のためにその人のために作ってる
気持ちを込めてない
逆に人の気持ちを踏みつぶすやつのところなんか働きたくねぇよ」
ヘーゼルはへたり込み
「わかった」
と言った
そしてカーラの方を向き
「済まなかった」
と謝る
「ヘーゼル,あんた」
「っ」
「今からでも遅くねぇ,俺が超えたいと思う様な奴になれよ」
俺はうまく言えないがそれでも伝われ
今からでも遅く無い
大丈夫だ
だから
登れ
もっともっと
最高になれ
「俺は待たねぇよ,頑張れよ」
「分かった!!!!俺ももっと極めてやる」
俺はうまくいってよかったと思った
これで皆が勝てる
「神風~!!!!」
「大好きー!!!!」
俺に抱きつく皆に俺は真っ赤になる
「離れろ」
だけど
嬉しかった
俺のために勝とうとしたことが
俺のために
皆が動いたことが
俺はこの学校に来てよかったよ
そう思った
幸せだと思ったのに
まさか
あーなるなんて
思わなかった
「ん?携帯が鳴ってるわ」
「俺のだ」
悪いと外に出て携帯を耳に当てる
「もしもし?」
「ーーーー!!!!」
兄からの電話
俺は携帯を落とした
「爺………ちゃん………が?」
今日は俺は買い出しと研究のために街に出ていた
昨日は休日だが今回は違う
校長が緊張していたことから推測するに今日は凄い奴が来る
そう思った
だから
俺は買い出しをしにきた
飛びっきり良いものを用意するためと自分の菓子作りを深め極めるために
「んー,後は買うものはねぇか」
「すみません」
不意にかけられた声に俺は顔を上げる
そこにいたのは整った顔をした男性だった
俺は一礼して
「どうしましたか?」
と聞くと
「君の学校へ連れて行ってはくれないかい?」
成る程
この人が凄い人だろう
「分かりました」
くるりと振り向き彼を連れて学校へ戻る
「ここですよ」
にこりと笑い一礼した
そのまま去ろうとすると
「君はどこへいくの?」
と聞かれる
「厨房です」
「!」
彼の目が見開く
何故?
俺の後ろに誰かいるのか?
「ん?居ないぞ?」
振り返るが誰もいない
俺はキョトンとしつつ厨房の中へと消える
「あの子が神風………」
そんな呟きすら知らず
俺はケーキを作っていた
自己紹介のため集合を掛けられる
俺は行くと前に立たされた
…………ん?何故だ⁇
「皆さんこんにちは,私はヘーゼル」
ヘーゼルさんと言うんだな
「幻の先生だ!」
と誰かが言った
ふーん
「どうも,今日は彼女を掛けて勝負しましょう」
にこりと笑ったヘーゼルが俺を指差して皆に言う
皆はざわざわと騒ぎ出す
一番驚いてるのは校長と俺だよ
「何故?と言う顔をしてますね?」
俺はギロリとヘーゼルさんを睨み
「当たり前だ」
と答える
「説明しましょうか?」
説明してもらおうか
「頼む」
じっとヘーゼルの目を見る
「貴方は才能の塊だ,ぜひ僕のところで働いてほしい」
才能の塊,ね
「………へぇ」
俺は睨むのをやめないまま生徒の方を向く
「この勝負貰う!」
「絶対負けない!」
「私たちの神風だもん!」
皆………
なら俺も自信を持って言おう
「こいつに負けんなよ!」
応援なんかしねぇ
絶対勝つと信じてる
「おーーーー!!!!」
一斉に取り掛かる皆に俺も動こうとすると
「君は僕と話そう」
と
腕を掴まれる
俺は皆を見た
皆は頷き送ってくれる
俺は渋々ついて行く
「ヘーゼルさん」
低い冷たい声が響く
「ヘーゼルで良いよ」
彼はニコニコと楽しそうにしている
「なんのつもりで皆の前で言った?」
壁にヘーゼルを叩きつけ見つめた
「君は素晴らしいね」
頬を撫でる手
「その燃えるような瞳」
スリッとまぶたを撫でる
「君は僕と来るべきだ」
と
言い捨て彼は厨房へと向かう
俺は
憤りを感じつつ厨房の方へと向かう
そこであったのは
ヘーゼルがわざとか知らないが俺の大切なカーラの飴細工を壊した
ピキ
そして
飴細工を踏んで蹴る
ビキ
俺の堪忍袋の尾が初めて切れる音がした
「ヘーゼル」
低く誰よりも冷たい声で呼ぶ
皆はざわざわと騒ぎ出す
何故なら
俺が青筋を立てて睨んでいるからだ
「神風!」
「神風,僕なら大丈夫だよ」
「落ち着け!」
俺は壁に拳を打ちつけ周りは静まる
俺は
拳から宝石が広がることも知らず
「ヘーゼル,テメェは許さねぇ!」
「………宝石姫」
ヘーゼルの目がギラリと光る
「最高だよ是非ほしい」
「ムカつく」
俺は生徒の皆が作ったケーキを寄せて彼から避けた
俺は一息ついてケーキを作って行く
苺の毛を全て抜き
生クリームはふわふわに
まるで天使の様に
白く
優しく
甘くする
「出来た,ヘーゼル食ってみろ」
「………まずかったら招致しないよ」
「言ってろ」
パクリと食べたヘーゼルは固まる
そして頬に手を当て
「美味しい」
と呟いた
幻の先生
それはいつの頃か知らない
だがな
人の丹精込めたものを踏み蹴散らす奴は俺は許す気はしねぇ
「テメェは作ったことあんのか?」
「そりゃ作っているよ」
「食わせてみろ」
「………」
彼は綺麗な姿勢で綺麗な作業でケーキを作って行く
それは素晴らしいものだ
だがな
「美味いが気持ちが込めれられてねぇ」
「気持ち?」
「幻の先生とほざかれていようがなんだろうが気持ちが込められてねぇケーキなんざ少ししか美味くねぇ」
「ッ!?」
皆が目を見開いている
「俺は一つ一つ
その人が食べる笑顔のためにその人のために作ってる
気持ちを込めてない
逆に人の気持ちを踏みつぶすやつのところなんか働きたくねぇよ」
ヘーゼルはへたり込み
「わかった」
と言った
そしてカーラの方を向き
「済まなかった」
と謝る
「ヘーゼル,あんた」
「っ」
「今からでも遅くねぇ,俺が超えたいと思う様な奴になれよ」
俺はうまく言えないがそれでも伝われ
今からでも遅く無い
大丈夫だ
だから
登れ
もっともっと
最高になれ
「俺は待たねぇよ,頑張れよ」
「分かった!!!!俺ももっと極めてやる」
俺はうまくいってよかったと思った
これで皆が勝てる
「神風~!!!!」
「大好きー!!!!」
俺に抱きつく皆に俺は真っ赤になる
「離れろ」
だけど
嬉しかった
俺のために勝とうとしたことが
俺のために
皆が動いたことが
俺はこの学校に来てよかったよ
そう思った
幸せだと思ったのに
まさか
あーなるなんて
思わなかった
「ん?携帯が鳴ってるわ」
「俺のだ」
悪いと外に出て携帯を耳に当てる
「もしもし?」
「ーーーー!!!!」
兄からの電話
俺は携帯を落とした
「爺………ちゃん………が?」

